音楽を始めて、それを仕事にしたいと考えた時に、
選択肢の候補に挙がる事が多い『スタジオミュージシャン』。
スタジオミュージシャンとは、音楽制作をする上でさまざまな演奏するお仕事。
簡単に言えばCDに入っている楽器の演奏、コンサートのバックでの演奏。
それがスタジオミュージシャンです。
今回は、
- スタジオミュージシャンの仕事とは。
- どうやってスタジオミュージシャンになるのか。
- 仕事とギャラのお話。
などを、ギタリストとして活動しています私の経験を踏まえてお話していきます。
スタジオミュージシャンを目指している方、音楽業界の事に興味がある方は是非お読みいただければと思います。
1、スタジオミュージシャンの仕事。
プロの制作現場では、プロフェッショナルな人材がそれぞれクウォリティの高い仕事をします。
- ミュージシャン
- エンジニア
- ディレクター(プロデューサー)
私たちミュージシャンは、音楽制作の現場において求められる事にすべて対応しなければなりませんし、
ディレクターやエンジニアとの信頼関係はとても重要になります。
以下が、私のスタジオミュージシャンとしての主な活動です。
- ソロアーティストのレコーディングとコンサート演奏
- グループアーティストのレコーディングとコンサート演奏
- TVアニメのBGM
- ゲームのBGM
- 各種イベント出演
- 音楽セミナーなど。
5と6はそれほど多くありません。
1~4が大部分を占めており、ほぼいつも何かしらの仕事を受けている状態にあります。
多い時では、月に30~50曲を弾く(覚える)事もあります。
どうやってスタジオミュージシャンになるのか。
スタジオミュージシャンなる為に一番必要な事。
スタジオミュージシャンになるにはどうすればいいのか?
いきなり答えからお話します。
答えは、『人間関係』です。
人間関係を作れない人は、業界でスタジオミュージシャンとして生きて行けないでしょう。
我々の仕事は、ハローワークでもネットでも募集されていません。
仕事が来る時は直接私にオファー連絡が来ます。
では、私の仕事オファーの例をご紹介します。
其の1:私は現在、あるアーティストのギタリストをさせてもらっています。
そのアーティストや音楽事務所が、私を交代させようとしない限り、そのアーティストのギタリストのお仕事は私という事になります。
私がそのアーティストのギターを弾く事になったきっかけは、知り合いの方の紹介でした。
その知り合いが事務所に私を『推薦』してくださったのが始まりです。
もちろん現場でしっかり結果を残さなければ、次の現場に声がかかる事はないので、
ギターの演奏能力や音楽的知識などもなければならないのは当然です。
其の2:ここ近年、アニメやゲームの曲でギターを弾く仕事も多くいただきます。
ゲームが好きな私にとって、ゲーム音楽でギターを弾く事を目標の1つにしていましたので、
とても幸せであり光栄な仕事です。
この仕事も、昔から音楽繋がりのある方から依頼がきます。
東京の方なので、私の自宅で録音して音声データだけ東京に送ります。
レコーディングは当然私の自宅で行っています。(便利な世の中です)
送ったデータを先方でチェック後、okかリテイク(やり直し)か指示がくるので、
先方のokが出るようにこちらで作業します。
アニメやゲームには、ムービーや動画にしっかり音を合わせなければならない場合もあり、
先方より映像データも送ってもらい、タイミングが合うようレコーディングを行ったりもします。
其の3:結構前の話ですが、超有名アーティストの曲にギターで参加した事があります。
私は楽曲制作の現場でギターを弾いただけで彼等には直接会っていませんが、
当時は「すげ〜〜〜!」っと感動したのを覚えてます。
この案件もやはり、お世話になっていた制作会社の方からお話をいただきました。
スタジオミュージシャンに限らず音楽業界では、スキルだけではなく、人間的に信頼出来る人に仕事が来ます。
それとスケジュールがシビアな事も多いので、レスポンスが良い事も大切だと感じています。
何が『きっかけ』だったのか?
なぜ声をかけてもらえるようになったのか?
もちろん自己の音楽的スキルも大切ですが、
- 熱意
- 貪欲
- かわいがってもらえるか
などの方が大事な気がします。
私が若い頃は、
- いろんな現場に顔を出す。
- 自分が何をしたいのか周囲に伝えておく。
- 挨拶と笑顔を大切にする。
- 来た仕事は断らない。
- 現場に顔を出し、勉強させてもらう。
- 自分が何をしていて、何を目指しているかを周りに知ってもらう。
- いつも笑顔!挨拶は元気に!←業界の超基本!絶対大事。
- お願いされた仕事は断らない。出来ない事は覚えれば出来る。
なんか、若干根性論に聞こえてしまいそうですが、
こういう人間が好かれ、結果的に私は業界でかわいがってもらえました。
- いつも現場に顔を出す→勉強熱心な人。
- 笑顔と挨拶→初対面でも会話しやすい人。
- 仕事を断らない→何でもお願いしやすい人。
私がお願いする立場なら、確実にこういう人材に声をかけます。
業界では好かれて損する事はありません。
それと実績がないうちはあまり『お金』を優先に動くのはやめておきましょう。
会社に所属し給料がもらえるのであれば別です。
スタジオミュージシャンは会社員ではないので、仕事を自分で探さなければなりません。
お金はとても大事です!でもあなたを買ってくれる周りの人脈を作る事がもっと大事です!
仕事を選ぶのは、仕事が増えてきたらすればいいのです。
仕事とギャラ。
仕事の種類については述べましたが、
ギャラは本当にマチマチです。
私のギャラはあまり良いとはいえないかもしれませんので、あまり参考になさらずに。
ギターレコーディング
1曲:1万〜3万ぐらい。
コンサート出演
本番2〜5万ぐらい。
●コンサートのリハーサル。
1回5,000〜15,000ぐらい。
やってる案件よって結構金額が違いますのであしからず...。
先ほどもいいましたが、若いうちはギャラではなく、経験させてもらう気持ちで挑んだ方がいいと思います。
初めからまとまったギャラがもらえる仕事は来ないと思うので、顔を売っておきましょう。
それと、これはとても大事な事!
良い事ばかりを言って仕事にしてくれないとか、ギャラの支払いが無いとかいろいろある業界です。
でもそれを見定めるのはあなた自身です。
あなたに期待を寄せている人が、あなたに仕事をくれる人とは限りません。
あなたが苦手だと思っている人が、突然大きな仕事の連絡をくれたりもします。
私も上記はたくさん経験がありました。
第一印象だけで人を判断しないようにしましょう。
極力敵は作らない。味方は多い方が良い。あなたのプラスになる人と付き合う。
がっつきすぎてもダメ!
ボランティアし過ぎもダメ!
あなたにとってバランスが良いところを探してみてください。
まとめ
私の経験上ですので、一般的ではない話もあったかもしれませんが、
私が思い、感じる『スタジオミュージシャン』のお話をしてきました。
たいへんな事も多い職業ですが、それ以上に楽しみも多い仕事です!
あまり儲からないかもしれませんが、たまにボーナス的なギャラの仕事もあります。笑
そして何より、スタジオミュージシャンは誇れるプロフェッショナルな仕事です!
スタジオミュージシャンを目指す方は、まずミュージシャンを続けていく事。
そして自分をたくさん売り込んでください。
頑張って周りに好かれる良いミュージシャンを目指してください。
この記事があなたの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次の記事で!!!